混迷の漂流国家ニッポン。政治の理想を追求すべく"新党ひとり"をバーチャル立党。それが『未来党(The Next Generation's Party)』。
自助への回帰 (1996年論考) [政治]
「天は自ら助くる者を助く」
スマイルズの『自助論』の冒頭で紹介されているこの有名な格言に代表される、「自助努力の精神」をはっきりと認識させられた時がありました。それは私が高校3年生の時のことでした。
当時、受験勉強の真っ只中にあった私は、ある時に某私立大の推薦試験を受けることになりました。そして自宅で願書を書き、夕焼けが空を茜色に染める頃、願書を郵便ポストに投函し終えた私は、受験勉強に備えるべく眠りにつこうとしていました。
ウトウトとしかけた時、突然私の頭の中で、白い閃光が「バチン」とはじけ、その中に一瞬アルファベット(のように感じました)が浮かびました。次の瞬間、なぜだか先程投函した願書のことが気になり、「ひょっとしたら、書き損じがあったのかも」と思った私は、親に事情を説明し、郵便局に掛け合ってもらい、何とか願書をもう一度手にすることができたのでした。
さて、封を切って中の願書を確認してみると、やはりアルファベットが一文字抜けていました。安堵の思いとともに無事記入し終えた私は、「ラッキー♪ 守護霊にでも助けてもらったのかな。この分だったら、試験も合格させてもらえるんじゃないか」などと甘い幻想を抱いていたのでした。
しかし、世の中そんなに甘くない。
そう、結果は期待に反して不合格でした。
その時つくづく思いました。
「ああ、あの世の霊人は、地上に生きている人がベストを尽くせるように助けてくれることはあっても、あとは人間の努力次第なんだなぁ」と。
このようにして、常に「自助努力の精神」を忘れちゃいけないってことに気がつきました。
今にして思えばいい教訓になったと思います。
ちなみに、この推薦試験の際の受験番号は「371番」。
後日同じ大学の本試験を受けて合格した際の番号は「173番」。
それぞれ学部は異なりますが、番号と合否結果の奇妙な符合も不思議な感じでした。
なのでいまだに覚えています。
そういえば、中学生の時に年配の英語の先生が、ことわざを英語で言うことが多かったのですが、スマイルズの「天は自ら助くる者を助く」はかなり頻繁に登場していました。その御陰で、私がいまだに英語で言えることわざは、この「天は自ら助くる者を助く」と「光陰矢のごとし」です。
私たち人間が「自助努力の精神」を忘れた時、それは堕落への始まりなのではないでしょうか。渡部昇一氏も著書の中で、
「"自助"を抜いたら人間も国もダメになる。
<セルフ・ヘルプ―自助>がないところに《キャラクター―品性・品格》が生まれるはずがないのである。(中略)そのような精神に支えられた人々が圧倒的に多かったときに、国は栄え、国としての品格というのも自ずと現れてくるのではないだろうか。」
と述べています。
個人として、そして国家として、真の繁栄の基盤には、この「自助努力の精神」が必要なんじゃないかなと思います。そして、時代はいまこの「セルフ・ヘルプ」を欲しています。
さらには、私たちの人生の目的が「魂修行」であることを知った時に、努力こそが幸福への道を歩むときの親友となるということに気づかされます。
そして、『努力即幸福』という言葉が、ユートピアの精神の大きな柱になっていくだろうと私は思います。