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混迷の漂流国家ニッポン。政治の理想を追求すべく"新党ひとり"をバーチャル立党。それが『未来党(The Next Generation's Party)』。

引越しをして得られたもの [その他]

先日のエントリーで最近引越ししたばかりだということをお話しました。

私の父は転勤が多かったため、子供の頃から引越しには慣れており、
私自身、社会人になってからだけでも、福岡→宮崎→大阪→東京→埼玉、
と転々とジプシー人生を謳歌しておりました(笑)。

しかし、今回の引っ越しでは、ある点が大きく異なりました。
今までは、今持っているモノをできるだけ次の新居へ持って行こう、
というのが当たり前の考え方でした。

今回は、
「使わないモノ、要らない(と思えるモノ)はこの際、ビシバシ捨てよう」
と思い立ちました。

私は知らなかったのですが、こういう考え方を断捨離というそうです。
嫁さんに教えてもらいました。

決して引越し先の新居、つまり現在の住まいが狭いわけではありません。
むしろ、やや広くなるほどです。

私にこの「断捨離」を決意させたのは、母の部屋でした。
身内の恥の部分なのであれなのですが、実は、母の部屋は、
ワイドショーなどでたまに出てくる、いわゆるゴミ屋敷というものでした。

母と私と嫁さんの3人で何年も同じマンションで暮らしながら、
自分の部屋を一切見せようとしなかった母。

その理由は、母が脳梗塞で倒れた直後に足を踏み入れて知ることになりました。
初めて見たその光景に圧倒され、一瞬脳梗塞云々ということを忘れたほどです。

ヘビースモーカーだったため、純白の壁紙は真っ茶色に変色していました。
そして、部屋のいたるところに散乱するタバコの吸殻と灰。
それが床といわずテーブルといわず大量にありました。

そして、使用後の食器が山のように積まれており、さらに大量のペットボトルや缶、瓶。
寝るスペースがあったのか、と思うほどのゴミの山でした。
使いかけのライターも30個ほどありましたし、よくこれで火事にならなかったものだ、
と逆に感心してしまいました。

母は倒れるまで、通いで家政婦の仕事をしていました。
他人の家を掃除し、食事の用意をする、という内容です。

他人の家は掃除しても、自分の部屋はゴミ屋敷(部屋)。
物凄い矛盾です。

まあ、あまり書くと単なる悪口にしかならないので、この辺で止めておきますが、
どう贔屓目に見ても、母の性格、精神が普通ではないことは10年ほど前から気づいていました。
まざまざとその回答を見せつけられたわけです。

ただ、時にヒステリックに、時に自己中心的に、他者を顧みずに生きてきた末路がこういう姿だということに、
ショックを受けたと同時に哀しくなってしまったのを覚えています。

以前、何かの本で読んだことがあるのですが、
その人の部屋を見れば、その人がどういうパーソナリティであるかが大体わかる、
という内容がありました。

それに当てはめてみると、やはりゴミ部屋で何年も暮らせる、
というのは到底普通の精神状態でないことは明らかだと思います。

数ヶ月かけて、徐々にキレイにしていきました。
一人でこの部屋に入るとすぐに心が折れてしまうため、
嫁さんと2人で作業しました。

ゴミの量はハンパなく、ペットボトルだけでも、
ゴミ袋10袋以上はありました。

しかし、見えなかった床が見え始め、ゴミがだんだん減っていくにつれ、
不思議と心まで軽くなっていく感覚がありました。

そして、引越しを決意したと同時に、
自分たちのものもバンバン捨て始めました。
すると、やはりモノを捨てるたびに、心がとても澄んでいく感覚がありました。

「いったいこの感覚はなんなのだろう」
と考えた時に、不意にとある仏教説話を思い出しました。

ご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、
釈迦弟子の一人である「周利槃特(しゅりはんどく)」の逸話です。

この人は元々頭が悪く、物覚えも良くなかったそうで、
他の弟子たちから「釈迦教団に相応しくない」というレッテルを貼られていたそうです。

ある時に釈尊が周利槃特に対して、
『周利槃特よ、ちょっと来なさい。
おまえは難しい説法はさっぱり分からないようだから、
1つだけ教えてあげよう。

ここに箒があるから、この箒を持って庭を掃きなさい。
落ち葉を掃いたり、ごみを掃いたりしなさい。

そのときに、
「塵を除かん。垢を除かん」
とくり返し言いながらね箒で掃いていきなさい。』

とアドバイスをしたそうです。

周利槃特は真面目にその行を積み重ねるうちに、
「ああ、人間も同じなんだ。
心の中にある塵や垢を除くことが大事なんだ」

と悟ったそうです。

まあ、私もあまり頭が良くない部類ですので、
この周利槃特には妙に親近感を覚えます(笑)。

この説話は、いわゆる「反省行」のことを表しているのだと思いますが、
現代的な言葉で言い換えると、「心のメンテナンス」ということなのだと思います。
日本神道的には「禊」という概念がそれに当たるかも知れませんね。

心の中というのは、眼に見えないので、なかなか把握が難しいのですが、
自分の部屋の状態を一つのバロメーターにすると良いかも知れません。

これが、今回引っ越しを通して得られた教訓の1つだと自分なりに思っています。
もし、このエントリーを読んでギクリとした方は、まずは断捨離から始めてみては如何でしょう?

1つだけ「断捨離」で気になったことと言えば、
モノに執着しない生活と聞けば聞こえはいいのですが、
行き過ぎてしまうと、厭世的な方向へシフトしてしまう可能性もあるので、
その辺はバランス感覚が必要かも知れないな、と感じたことが懸念事項です。

ちなみに、前述の周利槃特ですが、
なんと天才バカボンに出てくるレレレのおじさんは、
周利槃特がモデルになっている
、という説もあるようです。

信じるか信じないかは、あなた次第(笑)。
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