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混迷の漂流国家ニッポン。政治の理想を追求すべく"新党ひとり"をバーチャル立党。それが『未来党(The Next Generation's Party)』。

『未来への提言』 上 (1997年論稿) [政治]

神は人間の業を支配する。
神の助けなしに一大国家を建設するはずはないのである。

                                                ベンジャミン・フランクリン


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ハリウッドSF映画の名作、『スターウォーズ』シリーズが、未公開映像約5分を盛り込み、『特別篇』として今年の6月から公開されます。一作目が公開されてからちょうど20年目にあたるということですが、現在この一作目は『エピソードIV A NEW HOPE(新たなる希望)』と名付けられています。

悠久の昔、その強大な軍事力で銀河支配を目論む帝国軍に銀河が蹂躙され、人々が希望を失いかけた時、ルーク・スカイウォーカーという若いジェダイの騎士が闇との戦いに立ち上がり、同盟軍の多くの同士と共に銀河の平和のために帝国軍と戦いを繰り広げる・・・という壮大なスペース・オペラが『スターウォーズ』のストーリーですが、形は違えども、シチュエーションとしては現代の日本の姿と似ていなくもないと思うのです。

現代の暴君と化したマスコミ権力

「現代の悪魔は活字から入ってくる」とルドルフ・シュタイナーは言っています。
既に司法・行政・立法の三権を抑え、事実上の第一権力となったマスコミが、言論の自由を振りかざし、明らかに恣意的な情報操作、国民の感情操作によって「世論」を作り上げ、国政を左右し、あろうことかペンやマイクによって多くの人の心を害しています。

そして、その結果については何ら責任を取ることがありません。これはまさに暴君そのものの姿と言わざるを得ません。日本という国を支配しようとしている闇の勢力そのものでもあります。
「言論の自由」、「表現の自由」を単なる「営業の自由」に堕落させ、売れさえすればいいという拝金主義に染まったマスコミが、数多くの人々の精神を荒廃させる雑誌、言論を世間にバラ撒いています。

他人のプライバシーを覗き見て喜び、成功者を引きずり降ろして勝ち誇り、時には死体や女性の体まで売り物になる。そのような他人の不幸を楽しむ雑誌や言論は最低であると言っても良いでしょう。

このような雑誌、あるいはテレビ番組を通じて、人々の心は知らず知らずのうちに蝕まれていっているのです。人間の本質である心が、その精神が侵されているのです。そして、人々の心は堕落してゆき、享楽的・退廃的な様相を呈しています。

そう、彼らマスコミは極めて根本的な部分が判断できていないのです。それは善悪の判断です。そして、善悪は元々人間が分かつものではないということを知らねばなりません。また、自由には方向性が必要です。神に向かう精神の自由か、地獄に向かう欲望の自由か。この選択を誤った時から悲劇は始まったのです。

未来に向けて高度な文化を!

「ペンは剣よりも強し」という言葉がありますが、現代社会はまさしくその通りであると痛感させられてしまいます。それはなぜか。剣であれば、自分が狙いを定めた特定の相手しか傷つけることはできませんが、ペンの怖いところは、自分の意思や狙いとはまったく関係なくとも、言論機関を通じて不特定多数の人々に影響を及ぼすことができてしまうからです。

質の高い情報を人々が幸せになる方向で伝えていけば、社会はより高度でより調和された方向に向かうのでしょうが、そうでない場合は、まったく逆の道を歩むことになります。そして現代の日本は後者の道を歩んでいるように見えます。

こうした事態は、ある意味で人々の精神を曇らす「精神的公害」そのものなのです。
では、私たちはどうすべきなのでしょうか。
現代社会において「情報」というものは非常に大事なものになっていますから、その情報源をすべて遮断するということは、社会的孤立につながっていきます。

故にこの「精神的公害」への対抗手段としては、情報の質そのものを変えていくしかないのです。そして正義に目覚めた人が数多く出現することによって、悪しき言論の需要をなくしていき、供給そのものを滅していくことが、未来に向けて、高度に知的でかつ洗練された文化を創造していくために大事なことではないかと考えます。


『未来への提言』 序 (2010年)
『未来への提言』 中 (1997年論稿)
『未来への提言』 下 (1997年論稿を一部加筆修正)


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